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Q&A
- 資質・能力の3つの柱の育成と評価を,教科書内ではどのように具現化して編集していますか。
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全章のはじめに「Can-Do Listーできるようになりたい目標ー」として,観点をまとめてあります。また,章の最後では,「Can-Do List自己チェックー何ができるようになったかー」という投げかけを設けて,章でできるようになった内容をふり返る構成にしてあります。
- 「主体的・対話的で、深い学び」に資する工夫がありますか。
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巻頭「理科のトリセツ」内に,教科書を使用して「主体的・対話的で,深い学び」を実現させる方法を,具体的なページとともに説明してあります。
巻末にはホワイトボードの機能をもつ「アイデアボード」を設け,話し合いをしやすくするようにくふうしています。
- 学習指導要領が変わったことにより,前回から具体的に変わった点はどこですか。
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特筆する箇所は,観察・実験の体裁です。名称を「探究」として,すべての探究で,探究の過程に分解して流れを示し,探究の資質・能力を育てることができるような構成にしました。また,指導要領に示す「学年ごとの探究の重点」が無理なく実施できるよう,学年ごとに力を入れる探究を「しっかり●●」として示しています。
- キーワードである,「見方・考え方」をどのように扱っていますか。
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1時間ごとの学習の区切りを想定し,その区切りごとすべての時間に「見方・考え方」の例を示すという,前例のないつくりになっています。これにより,先生方の授業研究に資することを目的としています。
- 自学自習や,学んだことを定着させるための工夫はありますか。
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教科書紙面は自学自習に向いたつくりを意識しており,学習内容を端的に示して,重要な内容は箇条書きにするなどしています。たとえば,家庭での復習や試験前の見直しなどに向いています。また,QRコード教材として,基本問題や重要用語の復習ができる内容も設けています。
- 国際学力調査や,全国学習状況調査のために,どのような工夫がなされていますか。
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各単元末には,国際調査や全国学力学習状況調査を意識した,思考・判断・表現に特化した問題を設けました。解答も基本的に記述式です。難易度は高く,すべての生徒向けとは言えない面はありますが,これらの問題は,練習のための例題が世の中に少なく,教科書で提供する意義があると判断いたしました。
- 個に応じた学びを助ける工夫がありますか。
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学習内容の理解をさらに深める意義があると判断した箇所には,「発展」を設けてあります。また,QRコード教材として,多様な読み物を準備することで,一人ひとりの興味を高めていくことができます。
自由研究の扱いは今回大きく変え,実際の中学生がどのようなテーマで自由研究を行っているかを紹介する構成にしました。他者の活動を意識することで,生徒の意欲をさらに高めることを想定しています。
- 日常生活との関わりを取り上げたところがありますか。
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理科の意義は,いかに日常との関わりを生徒に納得してもらうかであると考えます。そのため,学習内容の解説以外の資料は,基本的に日常との関連が意識できるかを基準として選んでいます。これにより,日常との関わりを常に意識できる構成となりました。
- 今日的な課題,これからの社会や未来の課題などは取り扱っているところはありますか。
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3年生の最後の単元は,わたしたちと自然との関わり,わたしたちと科学技術などの利用のしかたなどをテーマにしてあります。この単元で,世界的な課題や,これからのわたしたちの行動などを考える機会になります。
- 生徒が,教科の学びと自己のキャリアや将来の夢などとつなげて考えられる工夫がありますか。
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巻頭には,理科の学習と職業とのつながりを意識することを目的とした「ミッションX」という読み物を設けてあります。また,紙面内にちりばめられた資料内でも,社会とのつながりを意識できるような多様な素材があります。
- 経験の浅い教員に対しての工夫はありますか。
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教科書は,基本方針として基本的に経験の浅い先生向けに作成してあります。たとえば,「理科のトリセツ」で理科学習の概略をつかむことができます。さらに,教科書紙面には,探究の過程や,発問,課題・まとめ,など,先生方が授業を行うときのヒントになる内容をちりばめております。
- 小学校の学習との連携をどのように図っていますか。
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各単元のはじめに,既習事項をふり返る項目「ふり返ろう・つなげよう」を設け,小学校をふくめた学習内容をふり返り,その単元の学習に備える機会をつくってあります。
- プログラミング学習(プログラミング的な思考)をどのように取り上げていますか。
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フローチャートの考え方を1年生の分類の方法で示し,技術科との関連をしめしています。また,QRコード教材のアプリ「筆算計算機」「濃度計算機」「原子カード」などでは,その機能がどのようなプログラムで動いているかの解説を入れてあります。
- SDGsをどのように取り上げていますか。
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すべての学年でSDGsにふれ,学習内容との関連を紹介しています。特に3年生の最終単元では,SDGsを導入に設け,社会的な課題を意識しながら学習を進めていく構成にしてあります。
- UD(ユニバーサルデザイン)の配慮はありますか。
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教科書に使用している書体は,ユニバーサルデザインの承認を得ております(ごく一部のタイトルに使用しているデザイン書体を除く)。また,図の示し方や使用する色などについては,専門家の指導を得ております。
加えて,紙面の装飾や配置を見直し,多様な生徒に見やすくなるように刷新いたしました。
- QRコード教材はどのようなものがありますか。また、家庭学習を想定していますか。
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QRコード教材には,従来紙面にあった読み物を中心にまとめてあります。また,これまでデジタル教科書に付属していた「原子カード」などの機能はQRコード教材として提供してあります。さらに,図の把握がしづらい天文分野などでは,アニメーションをもとに理解できるように構成してあります。
QRコード教材には,基本問題や,用語のまとめなども含まれており,家庭学習で扱うことを前提としています。端末がない場合のために,公共PCなどでQRコード教材を検索しやすくするための「整理番号」を教科書に示しています。
家庭学習や授業で使用できるワークシートは指導書内でも提供します。
- デジタル教科書の特徴を教えてください。
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デジタル教科書と指導書を一体化させて,指導書と同時にデジタル教科書を供給いたします。いってみればデジタル教科書は無料です。
また,デジタル教科書には,多様な指導用資料データを組み込み,先生方がデータをダウンロードして自由に使用できるようにしてあります。
- 指導書関係は,前回から変わるところはありますか。
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指導書の紙面などをすべてwordにして提供いたします。また,指導用資料を検索しやすくするための機能を,デジタル教科書と指導書を一体化させたソフトに設けました。
- 巻頭「理科のトリセツ」を詳しく載せた意図は何ですか。
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今回の学習指導要領では,改善点として概念的な内容が多く,先生方が迷うのではないかと考えました。その対応として,学習指導要領の概念をできるだけわかりやすく分解して図示する意図があります。
また,若い先生方が増えるなかで,あるいは,理科を学ぶ意義を見失ってしまう生徒が少なからずいるなかで,あくまでもめやすではありますが,なぜ理科を学ぶのか,理科をどのように学ぶのか,学ぶとどうなるのか,を示したかったためです。
- 小中学校を通した内容の一貫性をどのように表していますか。
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単元はじめに,「ふり返ろう・つなげよう」という内容を設け,既習事項のふり返りを促すことで,小学校との連携をはかっています。また,本文中にも,関連のある箇所に「ふり返り」という小囲みで関連にふれています。
- 観察,実験の扱いに特徴がありますか。
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従来の観察・実験を「探究」として刷新し,すべての探究で,探究の一般的な過程に分解して流れを示しています。これにより,探究の資質・能力を育て,理科以外のすべての活動に,物事を調べて,考察し,次の課題につなげるという態度や技能が育つことを期待しています。
また,探究の手順について,従来はイラストであったところをすべて写真にしました。これにより,手順がさらにわかりやすくなったとご好評いただいております。
- 変更になった教材や実験器具,必要な実験道具を教えてください。
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基本的に従来の観察・実験器具があれば問題ありません。
新指導要領で新しく実施することになった実験については,新たな器具などを購入しなくても実施できるよう,使用する器具と手順をくふうしてあります。
- AB判を採用した理由は何ですか。
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紙面を広く使う利点が大きかったためです。主には次の2点です。
1.紙面の側注に,各時間の「課題・まとめ」「見方・考え方」を示すことができるようになりました。「課題・まとめ」は,若い先生方がスムーズに授業できるようにという意図があります。また,「課題」に対して「見方・考え方」をはたらかせるというつくりは,新指導要領を意識しています。
2.紙面の余白を多く取れるようになり,紙面が非常に見やすくなりました。これはユニバーサルデザインの観点から重要です。
- 従来教科書に掲載していた基本問題は自学自習などで利用できますか。
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従来の基本問題はQRコード教材として掲載しています。また,配布用の基本問題のデータは,指導書に豊富に準備しております。
- 近年教科書が厚く重くなっているという話を聞きますが,どのような対策をしていますか。
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教科書の内容を厳選し,必ず学びたい内容だけをわかりやすく示すことで,ページの削減をはかりました。また,教科書用紙を見直すことにより,大幅に教科書の重さを軽量化することに成功しました。
同時に豊富な資料を実現するために,QRコード教材に読み物などを充実させています。
- ページ数が少ないですが,学習内容が不足することはないでしょうか。
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問題ありません。主に従来の読み物と基礎問題を教科書紙面からQRコード教材に移行したため,一見ページ数は少なくなっていますが,学習内容は保証されています。文部科学省の認可も問題なく得ております。 従来の読み物と基礎問題については,指導書に同じ内容のPDFを添付していますので,配布物としてお使いいただけます。指導書には,それ以外に1単元20ページ程度の基礎問題を盛り込みます。
- 伝統文化について取り扱っているところはありますか。
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1年生 … p.68 鍛冶,p.71 図4金属の加工,p.156 雅楽の演奏
2年生 … 巻頭p.⑤ 物質のおおもとを調べる,p.272 地域で伝わる天気のことわざ
3年生 … p.162 図13(a)酸の利用,p.180 乾電池の利用,p.237 暦の歴史
などで取り上げています。
- 防災・減災教育について,どのように取り上げていますか。
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1年生の地学単元,2年生の気象単元で,防災・減災について生徒が自ら調べてまとめる活動を設けました。また,3年生の巻頭では,東北地方太平洋沖地震について特集を組みました。これは教科書が使用される2020年が,ちょうど10年目にあたることも意識しております。
- 単元配列の特徴はありますか。
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※学年内で学習する単元順については先生方の裁量にまかされていますが,教科書では,目安として想定年間指導計画にそった単元配列にしております。ここでは,教科書の単元配列どおりに学習したときの特徴について追加説明いたします。
・2年生については,気象の単元を最後に設定しており,冬に学習することを想定しています。これは,日本各地で特徴的である冬の天気を実感できるよう意図した構成です。
・3年生については,エネルギーの単元を最初に設定しています。これはエネルギーの概念をまず学び,そのあとで化学電池のしくみをより深く理解することを意図した構成です。
- 「探究の課題」の赤字に対する「まとめ」は設定していますか。
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「この時間のまとめ(紙面右下にある薄緑色の囲み)」がそれに当たります。探究のページでは,探究の「課題」と「この時間の課題(紙面右上にある薄緑色の囲み)」の文言を一致しさせており,「この時間の課題」に正対させたまとめの文言を「この時間のまとめ」に記載してあります。