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生き物を大切に No.4

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no4

 固有種とは、特定の地域や国にのみ生息している生物種のことです。分布の範囲が狭い生物種が固有種として扱われる傾向がありますが、生物はどの種類も分布の範囲が限られているので、その広さに関係なく、実は自然の分布域において全て固有です。
 分布域の狭い固有種は、私たちの暮らしの影響を受けやすいので、優先的に保護する必要があります。特に貴重で特有な地域の個体や生物種は、天然記念物に指定されて守られることがあります。

 日本の固有種は、世界中どの地域を探しても日本の国土にしか生息していないため、私たちは責任をもって大切に守らなくてはなりません。国外にも分布している生物種もいますが、安心してはいけません。生き物は地域により遺伝子が異なりますが、これは各々の地域で異なる進化が起きていることを意味します。生物の進化を見守るためにも、私たちは身近に暮らす生物を大切に守っていかなくてはならないのです。


ニホンザリガニ

 北海道や東北の一部にのみ生息している日本の固有種です。水温が20℃以下の冷たくてきれいな水に生息しています。寒い地域に暮らすためか、成長は遅く、繁殖するまでに5年ほどかかります。 no.4写真1

no.4写真2



ニホンイシガメ

 北海道や東北、沖縄を除く本州と四国、九州に分布している日本の固有種です。イネを食べてしまう外来種のスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)を食べてくれますが、生息地の破壊や乱獲により個体数が激減し、日本各地から姿が消えつつあります。 no.4写真3



トキ

 日本以外にも中国や韓国などに分布しているので、日本の固有種ではありません。しかし、東アジアにのみ分布する東アジアの固有種で、日本では特別天然記念物に指定されています。トキのように広範囲に移動して暮らす生き物は、日本だけではなく、生息地となる国々が大切に守る必要があります。 no.4写真4



【お薦め図書】
「日本のスゴイいきもの図鑑」 加藤英明(著/文) 大和出版
https://daiwashuppan.com/book/b10026399.html

【参考リンク】
国立科学博物館 日本固有種目録
https://www.kahaku.go.jp/research/activities/project/hotspot_japan/endemic_list/


加藤英明先生