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はじめの一歩の一歩前

19歩目 遠隔・オンライン教育

栃木県壬生町立睦小学校 稲木 健太郎

活用の場面

 遠隔・オンライン教育は、様々な場面での活用が想定されます。
・専門家などにゲストティーチャーとしてオンラインで授業に参加してもらう場面
・他校や外部施設等、遠隔地とつながる交流会、発表会
・個々の児童生徒の状況に応じた支援をオンラインで行う場面 など
 ZoomなどのWeb会議システムを活用することで、手間やコスト等の負担を減らすことができ、学びを深める学習活動の一つとして取り入れやすくなります。今回は、ゲストティーチャー(消防士)にオンライン上で質疑応答を行った事例をご紹介します。

準備

 授業の準備として、ゲストティーチャーと事前に打ち合わせを行い、次の3つのことを共有するとよいでしょう。
 ①学習の目的
 ②学習の流れ
 ③質問の内容
 事前の打ち合わせも、オンラインで行うとよいです。授業当日と同じ機器やアプリを使うことで、授業のイメージがわくとともに、当日のトラブル防止にもなります。

授業の実際とメリット

 ゲストティーチャーに質問をする際は、代表児童が質問をし、他の児童はメモしたり追加の質問を考えたりする方法も考えられます。その場合は、Web会議システムでゲストティーチャーとつなぐのは代表児童のみとし、その様子を大型テレビなどで映して全員に共有します。
 全員が同時につながる方法も考えられますが、慣れないうちは少人数で接続した方が、教師も児童も安心して行うことができます。慣れてくれば、全員がつながったり、チャット上で質問したりすることも考えられます。いずれにせよ、これまでの学習経験に合わせて無理なく遠隔・オンライン教育を取り入れることがポイントです。

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 授業を組み立てる際、必ずしも1コマの授業全てをオンラインでつなぐ必要はありません。必要に応じて学習活動の1つとして取り入れていくことも考えられます。(この事例は約25分間の接続で、そのうち15分間が質疑応答でした)
 ゲストティーチャーとの質疑応答を通して、学習への意欲が向上したり、教科書より専門的な知識を獲得したりできます。オンラインによる質疑応答でも、一定の学習効果が得られます。

 遠隔・オンライン教育は、指導や学びの幅を広げることに有効です。コロナ禍で対面での交流が難しい場合も、学習活動の1つとして授業に取り入れることで学びを深めることにつながるでしょう。

(参考)遠隔学習に関する資料

遠隔教育システム活用ガイドブック 第3版
https://www.mext.go.jp/content/20210601-mxt_jogai01-000010043_002.pdf

遠隔教育の推進について
https://www.soumu.go.jp/main_content/000638150.pdf

動画 「始めよう遠隔教育」(文部科学省 YouTubeチャンネル)
初級編 https://youtu.be/YMwJLMOw1G0
中級編 https://youtu.be/Dj-xr8GJcw4
上級編 https://youtu.be/0LGDI2f0-bE



佐藤先生
信州大学教育学部 助教
佐藤 和紀

これまで学校外の方から話を聞く場合には,学校に来ていただかないと叶いませんでした。しかし,GIGAスクール構想で導入された汎用の遠隔オンラインシステムを活用することで,どこでもいつでも学校外の方と繋がることが可能になりました。様々な理由で出席できない場合や,感染症による休校措置にも有効です。クラウド活用によって,必ずしも集合する必要はなく,分散して学習の保障がされるようになったことに,学校教育の広がりと可能性を感じます。