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はじめの一歩の一歩前

18歩目 端末の持ち帰りを生かした家庭学習の具体的な事例

春日井市立出川小学校 福井 美有

 子供達に端末を持ち帰らせて何をさせたら良いか,ということに悩むかもしれません。まずは子供達の負担にならないところから始めると,スムーズに端末の持ち帰りを生かした家庭学習を進めることができます。

一人一台端末を活用した自主学習に取り組んでみよう

 自主学習における一人一台端末の活用は自由度が高く取り入れやすいです。最初の段階では,子供達が今まで自主学習ノートで行っていた学習をデジタル化するイメージで良いでしょう。例えば,自主学習ノートに調べ学習をしてくる子であれば, Google スライド に置き換えることができます。今までは,画像を家庭で印刷してノートに貼り付けたり,イラストを描いて表現したりしてきたものが Google スライド を使うことで簡単に画像を挿入することができるので,子供達は便利さを感じます。他にも画像だけでなく,動画を挿入することも可能なので,調べ学習の幅が広がります。

<自主学習ノートをGoogleスライドに置き換え> ph1

 子供達が一人一台端末を活用した自主学習に慣れてくると,調べ学習だけでなく,技能系の自主学習に取り組むこともできるようになります。例えば,家でダンスの練習をしたり,リコーダーの練習をしたりしたものを動画で撮影してくることなどです。今までは漢字ドリルや計算ドリルなどの繰り返し学習,調べ学習といった自主学習が多く見られましたが,一人一台端末を活用することで様々な自主学習に取り組めるようになります。


授業の予習を家庭学習に取り入れてみよう

 授業によっては,あらかじめ子供達に予習をしてきてもらい,授業では話し合い活動をメインにしたい,というときがあります。そのようなときには,授業の予習として端末で動画を視聴することを家庭学習として取り入れるのも良いです。動画を視聴して学んだことを Google ドキュメント で簡単なレポートにまとめさせたり, Google Jamboard で学んだことをメモさせてたりしておくと,本時の授業で活用することができます。

<Google Jamboardで学んだことをメモ> ph2



三井先生
常葉大学教育学部専任講師
三井 一希

端末を活用した家庭学習を行う際にいきなり高度な家庭学習を実践する必要はありません。まずは,これまで紙や鉛筆でやってきたことをデジタルに置き換えてみましょう。音読カードをデジタル化する,観察記録をデジタル化するなどです。これだけでもデジタルの良さを実感できます。福井先生のように家庭学習と授業をつなぐ実践も参考になります。一人一台端末とクラウドを活用することで学校の学びと家庭の学びをシームレスに連携させることができます。