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はじめの一歩の一歩前

13歩目 GIGAスクールはじめの一歩の一歩前

少しずつ持ち帰りに慣れていきましょう

 家庭への端末の持ち帰りに関しては,3月12日に文部科学省から発出されている「GIGA スクール構想のもとで整備された1人1台端末の積極的な利活用について(通知)」に,1人1台端末の利用にあたり保護者等との間で事前に確認共有しておくことが望ましいポイントが示されています。この通知では児童生徒が端末を扱う際のルール,健康面への配慮, 端末やインターネットの特性と個人情報の扱い方,トラブルが起きた場合の連絡や問い合わせ方法等の情報共有の仕組み, について詳しく書かれています。また,Google for Educationのサイトに実際の持ち帰りの事例を動画で視聴することができます。子供たちの家庭での学習の様子がイメージできるはずです。

 各自治体や学校でも端末を持ち帰る際のルールなどが示されているところですが, ルールを示しただけですぐに理解するというものではありません。子どもたちは失敗を繰り返しながら学んでいくという前提のもと,少しずつ持ち帰り練習を行っていく必要があります。例えばある自治体では, まず1日持ち帰ってみて,その上で子どもたちと保護者に家庭での使い方を振り返り,課題や問題点をフィードバックしていただきます。学校側はフィードバックを踏まえ子どもたちに適切に指導を行ったりルールを見直したりします。 次の段階では2日間持ち帰ってみる,土日に持ち帰ってみる,ということを繰り返し持ち帰りに慣れさせていきます。 それと同時に保護者の方々にも少しずつ端末を活用した学習や生活についてご理解いただけるようになるでしょう。

ルールと方針はセットで示しましょう

 こうした取り組みの中で子どもたちが失敗することはもちろんあります。例えば,不適切なサイトにはアクセスしない,というルールがあるとします。教師や保護者から見て不適切だと思うサイトにアクセスしていた場合,すぐに端末の活用を禁止してしまうことがあります。しかし,子どもたちは不適切なサイトとはどういうものかを認識したり理解したりしているわけではありません。これでは,子どもたちは禁止された理由を理解することもできません。

 ルールは方針のもとに成り立っています。不適切なサイトにアクセスをしないというルールを伝える前に,端末を使ってなぜ学習をするのか,端末を使って何を学習していくのか,というようなことを今一度確認する必要があります。例えば,人が幸せになるような活用をする,という方針があって, 不適切なサイトにはアクセスしない,というルールがあった場合には,方針と照らし合わせた場合,子どもがアクセスしたサイトは不適切だった, という判断を子どもたち自身でできるようになるでしょう。

ルールは信頼関係のもとに成り立ちます

 また,子どもたちが学習以外に使ってしまうのではないかと心配される教師や保護者もいます。これには,日常の教師と子どもの関係性が影響しています。特に子どもたちは「先生に見られている」,「先生は見てくれている」,「先生は見守ってくれている」,と思っていれば行動を抑制していくはずです。したがって,日常の授業や学校生活の中で,教師が子どもたちとどのような関係性を築いているかということが重要です。机間指導,ノート指導,毎日の声かけ,教師の一つ一つの行動が,子供たちへのメッセージとなっています。
 家庭への持ち帰りにルールは必要ですが,ルールは信頼関係のもとに成立していると考えていく必要があるでしょう。



執筆者


佐藤和紀先生