令和2年度版 小学校教科書
学校図書の算数
算数目次
編集の基本方針
学校図書の教科書は「多様性を前提とした問題解決能力の育成」の編集理念としています。
小学校算数は,この編集理念をもとにして以下の基本方針で作成しました。
・子どもの学力を身につけるために
・コミュニケーション能力を身につけるために
・社会に役立てる力を身につけるために
編集の特色
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前筑波大学附属小学校 副校長
田中 博史
この教科書を使う子どもたちへ
資質・能力ベースで授業改善を目指す新しい学習指導要領にそった教科書がいよいよスタートします。内容自体には大きな変化はないと言われているものの,主体的・対話的で深い学びの授業をどのように実現していくかを考えるとなると,戸惑う先生も多いかもしれません。教科書はその意味では日々の授業を変えるための大切な視点を具体的に示し,算数専門ではない先生方でも子どもたちに確かな力を培うことを保証していくという大切な役割を担っています。
今回の改訂で,大切にしている視点の1つとして,学び方を学ぶという側面も強く意識しています。本教科書で示された主体的な学び,対話的な学び,深い学びという3つの学び方についても各学年のページの扉の部分に,典型的な例をあげて子どもにも教師にもイメージしやすいように示しました。
教科書の様々な配慮を,実際に使う先生がさらに柔軟にとらえて,目の前の子どもたちに合わせて使い分けてもらえれば良いと考えます。新しい教科書が日本の子どもたちの算数好きを増やすことに少しでも寄与できることを願っています。
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横浜国立大学教授
池田 敏和
この教科書を使う子どもたちへ
グローバル化,少子高齢化,情報化が進み将来が予測困難な社会において,学校教育段階から,新しい時代に必要となる資質・能力を育成していくことが強調されています。すなわち,与えられた問題を解決する能力だけでなく,問題を発見していく力,最後まで粘り強く取り組む態度,多面的・批判的に考えていく力等に光を当てていく必要があります。そこで,本教科書では,思考力・判断力・表現力を育成すること,知識・技能を習得することを通して,学びに向かう力・人間性等の涵養へと繋げていくことに留意しながら作成しました。特に,数学的な見方・考え方に焦点を当て,学年を通して繰り返し用いてきた数学的な見方・考え方を教科書の最初に位置付けました。学習内容が深まる中で,数学的な見方・考え方が豊かになっていくことから,学年進行と共に,その種類が増えていくような形になっています。
問題を解決した後に,どのような見方・考え方が有効であったかの振り返りを奨励すると共に,新たな問題を解決する際,どのような見方・考え方が有効に働くのかを探すための手助けになるように配慮してあります。身につけた見方・考え方をみんなのために活用し,学べば学ぶほど個々が強く結ばれる教育へと繋がっていけば幸いです。