数学 学習の流れ
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163役立つ数学電子レンジでの加熱時間いろありますが,弁当のラベルに表示されているW(ワット)数と自宅の電子レンジのW 数がちがっているということが考えられます。W 数がちがっているとき,どうすれば適切な加熱時間を知ることができるでしょうか。 実は,W 数と加熱時間の間には,反比例の関係があります。W 数をxW,加熱時間をy秒とすると,x*yは一定になります。このことを利用すると,どんなW 数でも適切な加熱時間を計算することができます。 たとえば,弁当のラベルに「1500W で30秒」と表示されていた場合,500W では90秒,1000W では45秒 が適切な加熱時間になります。 コンビニエンスストアで弁当を買うと,ラベルに電子レンジでの加熱時間が表示されています。しかし,自宅の電子レンジでは,うまく加熱できないことがあります。うまくいかない原因はいろ4章 「比例と反比例」を学んでともなって変わる2つの数量x,yがあって,xの値を決めるとyの値がただ1つ決まるとき,yはxの関数であると判断できる。 2つの数量xとyの関係が比例や反比例であるかどうか判断できる。できるようになったこと 比例のグラフが原点を通る直線になること,反比例のグラフが双曲線になることがわかり,それを座標軸上に表したり,そこから式を読み取ったりすることができる。これからもっと学んでみたいことや,疑問に思ったことを書いておこう。さらに学んでみたいこと身のまわりや数学の中から見つけた問題を,比例や反比例とみなして,その特とく徴ちょうを見つけて解決に利用することができる。51015204章 比例と反比例164 地震を目の前で観測することはほぼ不可能です。 「震源の位置を特定するためには何を調べればよいのか」という大きな課題の解決に力を注いだ研究者が,大おお森もり房ふさ吉きち(1868~1923)です。彼は1899年(明治32年)に,初期微動継続時間から震源までの距離を求める「大森公式」を発表しました。現在,彼の研究は,緊きん急きゅう地震速報や電車の早期地震警報システムなどにも活用されています。右の表は,2004年10月23日の新潟県中ちゅう越えつ地震における,観測地点7か所の初期微動継続時間x(秒間)と震源までの距離y(km)をまとめたものです。この表をもとに,xとyの間にはどんな関係があるのか調べてみましょう。県内の長なが岡おかでは,初期微動継続時間が2.15秒間でした。震源までの距離は約何 km と考えられるでしょうか。 地じ震しんが起きると,ふつう,はじめカタカタ…という小さなゆれがしばらく続き,次にユサユサ…という大きなゆれがやってきます。はじめの小さなゆれの続く時間を初期微び動どう継けい続ぞく時間といい,震源までの距離と深い関係があることが知られています。新潟県中越地震による被ひ害がい観測地点初期微動継続時間x(秒間)震源までの距離y(km)湯ゆ之の谷たに2.6219.7下した田だ5.2539.4上かみ川かわ6.8351.2湯ゆ沢ざわ7.6257.1加か茂も6.8851.6川かわ西にし3.3525.1弥や彦ひこ8.3362.5大森房吉震源までの距離は?5101520章の学習の最後に,この章で何ができるようになったかを自己評価できます。「自己評価」章で学習した内容をさらに深めたり広げたりします。数学が身のまわりで役立つことが実感できるコラムです。学びに向かう意欲を喚起します。「学びに向かう力」「深めよう!」

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