見 方考え方この時間の課題混合物を加熱してエタノールの沸点に達したら,エタノールだけが沸とうするのかな?どちらも液体で,ろ過することはできないね。ここに水とエタノールを混ぜた混合物があります。この混合物から,ふたたびエタノールを取り出すにはどのようにしたらよいでしょうか。水とエタノールの混合物から,エタノールを取り出すにはどうしたらよいか。エタノールと水は,沸点がちがうね。エタノールが沸とうしているのか,水が沸とうしているのか確かめるには,まず沸とうした気体を集めなければいけないね。ろう。蒸留2水とエタノールの混合物から,エタノールを取り出すにはどうしたらよいか。 混合物の沸点 混合物の沸とうと物質の沸点のちがいを関係づける水とエタノールの混合物を分ける探 究6?気づき課題?仮説?計画?図13 エタノールと水の混合物をつくる(あなたの仮説)510 117 混合物を加熱してエタノールの沸点に達したら,エタノールだけが沸とうろう。ノールの沸点に達したら,ろう。探究のCan-Do Listメスシリンダーで水9cm3とエタノール3cm3をはかって混合物をつくり,大型試験管に入れる。写真のような装置を組み,混合物を弱火で加熱する。1.混合物を加熱する水,エタノール,大型試験管,試験管(3),試験管立て,ガラス管,ゴム管,ゴムせん,スタンド,ビーカー,デジタル温度計,加熱器具,蒸発皿,メスシリンダー(2),ピンセット,ろ紙,マッチ,沸ふっとう石,軍手,保護めがね観 察①エタノールと水の混合物を加熱して,気体を得る。 ②試験管にたまった液体の性質を比ひ較かくする。③液体を比較した結果から,取り出した液体を考察する。④加熱器具を使って安全に気をつけ物質を加熱する。 ◆デジタル温度計を正しく使う。準備準備方法デジタル温度計大型試験管水とエタノールの混合物沸とう石冷水温度計の先をガラス管の先にそろえて,出てくる気体の温度をはかる。ポイントストップ!!ガラス管の先が,たまった液の中に入らないようにする。ストップ!!出てきた気体に火を近づけてはいけない。エタノールは火がつきやすい。ストップ!!ゴム管が熱くなっているので,軍手などで持つようにする。ゴムせんをきつくしめる弱火にする液からはなす510 118 ア~ウの試験管にたまった液体を,それぞれ,①②のようにして調べる。3.出てきた液体を調べる試験管に液体が約2cm3たまるごとに温度を測定し,試験管をかえ,ア~ウの順に3本の試験管に集める。2.出てきた液体を集める試験管ア,イ,ウにたまった液体には,それぞれ何が多くふくまれていると考えられるか。また,その理由は何か。ストップ!!ゴム管が熱くなっているため,試験管を入れかえるときは注意する。ア 1本目の液体イ 2本目の液体出てくる気体の温度におい火に近づけてみる試験管ア,イ,ウについて,表の項こう目もくに気をつけ記録する。水とエタノールの混合物を分ける結果?考察?ストップ!!手であおぐようにしてにおいをかぐ。① においをかぐ② 火に近づける「結果」の見方・考え方「考察」の見方・考え方510 119 にたまった液体には,それぞれ何が多くふくまれていると考えられるか。 1本目の液体① においをかぐ119 エタノールが沸ふっとうしているとき,蒸発している水も混ざっているということです。粒りゅう子しのモデルでこのように考えられます。アでは,たくさんのエタノールの粒子が気体になって空気中に飛び出しています。時間が経つと,イのようにエタノールの粒子が少なくなっていきます。ア 1本目の液体イ 2本目の液体ウ 3本目の液体出てくる気体の温度80.1℃86.5℃96.0℃においエタノールのにおいがしたエタノールのにおいが少ししたにおいがほとんどしなかった火に近づけてみるよく燃えた少しだけ燃えた燃えなかった試験管アにはエタノールを多くふくむ液体が集められたことがわかる。このことから,沸ふっ点てんの低い物質と沸点の高い物質の混合物を加熱すると,まず沸点の低い物質が多く取り出せるといえる。結果・考察次の時間では探究6をまとめます。試験管アの液体は,エタノールの性質が強く,試験管イの液体はエタノールの性質が少し見られた。試験管ウの液体は,エタノールがふくまれているかわからない程度だった。アでは,エタノールだけでなく,水も混ざっているのではないかな。アの液体がもしエタノールだけなら,燃えたあと液体がなくなったり,すぐに蒸発してなくなってしまうはずだよね。でも液体が少し残ったよ。結果?考察??ふり返りこの時間のまとめ水とエタノールの混合物から,沸とうを利用して,エタノールを取り出すことができる。表1 探究6の結果例加熱加熱アの状態イの状態エタノールの粒子水の粒子水とエタノールの混合物を分ける図14 混合物の沸とう5 120 11探究の過程 がすべての観察・実験で見える「探究の過程」の例が,新学習指導要領に明示されたらしいけれど,1つひとつの観察・実験では,どのように示すことができるのだろう?探究の過程が意識できる「方法のページ」をめくると,探究の結果の例,考察の例を示してあります。学習内容の確認などに使えます。結果のページめくると…めくると…「課題のページ」で計画を立てたあとは,観察・実験を行います。「観察・実験の目的」「準備物」「手順」「結果を記録するときの見方・考え方」を示しています。方法のページ見開きの右ページが探究のスタートです。「気づき」→「課題」→「仮説」→「計画」の例を「話し合い」の形で示しています。課題のページだから1年p.117-120
元のページ ../index.html#15