TEADA 2021/前期号
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近年,テーマをしぼった,ちょっとマニアックな事典が人気です。著者や編者の熱のこもった専門的な知識や解説は,興味をもつ人はもちろん,その世界を知らない人もどんどん引き込んでいきます。このコーナーでは,そんなユニークな辞書や事典,図鑑を紹介します。材と食材が織りなす,独特で絶妙,そして美味な風味を,実例とともに紹介する事典(翻訳本)です。その組み合わせは,伝統料理から世界的に有名なシェフの料理まで,実に980項目にも上ります。深い洞察力で書かれた文章は,風味を客観的に解説するだけでなく,料理をするときのインスピレーションを与えてくれます。自国イギリスでも高い評価を受け,10か国語に翻訳され,広く世界で読まれています。食ニキ・セグニット(著)/曽我佐保子,小松伸子(翻訳)楽工社/B5判変形/549ページ/本体7,200円+税2016年8月風味の事典ーストがバターを塗った面から落ちる確率,安全なパスワードの選び方,少数意見が偏見を受けやすい理由など,日常生活の一場面を切り取ってその現象について数学的観点から解明します。といっても,読むために難しい計算や論理の理解は不要です。カララフルな図版が多用されている誌面を読み進めるうち,「こんなところにも数学が!」と新鮮な驚きと,数学の魅力を実感できます。トコリン・ベバリッジ(著)/今野紀雄(監訳)/大光明宜孝(訳)ニュートンプレス/B5ワイド判/192ページ本体2,700円+税/2020年9月鮮やかな熱水泉,滑らかで繊細な縞模様をした渓谷,巨大なクリスタルの洞窟など,地学的に興味深い場所を取り上げ,科学的な解説を加えた事典です。タイトル通り,「美しすぎる」カラー画像が満載で,地球の造形美に圧倒されます。さまざまな地域と地質年代が網羅されており,読み応えのある解説もあいまって,誌上で世界旅行とタイムトリップを味わったような感覚になります。地学の入門書としてもおすすめです。色渡邉克晃(著)秀和システム/A5判/215ページ本体1,800円+税/2020年12月美しすぎる地学事典に戦後以降に日本で封切られた4800作品の映画の原作図書が紹介されています。タイトル,公開年,監督,脚本,出演者,概要など映画の基本情報とともに,原作図書の書名,著者名,出版社,出版年など基礎情報が細かく記載されています。また,索引も充実していて,調べたい作品があるときに大いに役立ちます。映画,原作,どちらも鑑賞して,その作品の素晴らしさを2倍堪能してはいかがでしょうか。主スティングレイ,日外アソシエーツ(共著)日外アソシエーツ/A5判/890ページ本体12,000円+税/2008年8月身の回りを数学で説明する事典外国映画原作事典14TEADA 2021 前期号

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