TEADA 2021/前期号
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HSC/Pは,思いがけない小さな言葉や態度で傷つき,些細なことでもトラウマになりがちです。言動を否定せず,「あなたのままでいい」と肯定することで,安心し,その子の良さが発揮されます。HSC/Pには,刺激に敏感で疲れやすい,行動が慎重,感性が鋭い,共感能力が高い,自己肯定感が育ちにくいなどの特徴があります。ただ,その特徴や程度には個人差があります。参考文献:Aron, E. N., & Aron, A. (1997). Sensory-processing sensitivity and its relation to introversion and emotionality. Journal of Personality and Social Psychology, 73(2), 345‒368.音,におい,光,肌ざわりなどに敏感楽しいはずの行事でも,ぐずったりぐったりする小さな変化に敏感サプライズが苦手他の人が叱られているのを見て涙ぐむ人に見られていると,思い通りできない良いところをほめる頑張っているところや良いところに目を向け,ほめて自信をつける。無理強いをしない叱ったり,急かしたり,圧力を加えたりしない。安全基地をつくるいざというときにそなえて,避難できる場所をつくっておく。他の子と比べない周囲の子やきょうだいと比べ,否定的なことを言わない。静かに見守る細かく指示したり,口出ししたり,干渉したりしない。その子に合わせる行動ペースなど,他の子を基準にしない。特に初めてのことをする場合は,自発的にやり始めるまで待つ。共感してあげる興奮しているときは,その子の気持ちを受け止め,共感したり,その子の思いを代弁する言葉をかけたりする。対応の仕方は?HSC/Pと接するときのポイントを見てみましょう。特徴の具体例は?HSC/Pでは,不安や恐怖などを感じ取りやすい機序として感情をつくり出す働きをする扁桃体が活発だとされています。発達障害/神経発達症群の特徴の一部に「感覚過敏や鈍麻」がありますが,アーロン氏によると,HSC/Pは発達障害や精神疾患とは異なると定義されていて,臨床医学には位置づけされていません。従って現在のところ,発達障害など他の障害や疾患を除外された場合に検討されることがあると思われます。強い不安や抑うつ,不眠,衝動性などが見られる場合は,医学的な判断が必要です。医学的には?HSC/Pは,環境の変化にすぐに適応できないという傾向があります。そのため,保護者には,規則正しい生活を送り,日々早めに就寝するよう助言しましょう。また,その子の苦手なこと・場所・人などについて保護者と情報を共有し,できるだけ距離を置くよう工夫しましょう。保護者との連携は?11

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