GAKUTO 2020 特別号
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19進む、デジタル教科書の活用 実践紹介❷クラウドアプリで提出することとしました。◎課題の配信の頻度と、提出について 毎週・水曜日に、翌日からの課題(学習内容・範囲)を各家庭に配信しました。1回のメール通知には、土曜日・日曜日を除いた5日分の課題を盛り込む内容としました。児童が毎日、課題に取り組むこと、机に向かうことが大切と考え、日々のスケジュールに沿って進められるように、また、学習のポイントも示し、日付とその日にやる学習内容を記すような文面としました。 児童は、タブレット端末の学習支援型クラウドアプリを使って、毎日、午後4時頃を目安に課題を提出するように伝えました。ノート(家庭や、手元にない場合も考えられるため、白い普通紙のようなものでも構わないことにしました)や教科書上で学習作業を進め、それを学習支援型クラウドアプリのカメラ機能で撮影し、撮影画像を学習支援型クラウドアプリで指定された提出箱に(例えば、国語の4月10日の提出箱へなど)担任教員に提出することにしました。 4月8日(水)の「2年生の第1週課題」の配信から、学校再開となる6月15日(月)までに配信した課題は、合計10回の「第10週」という結果となりました。◎課題の内容について 担任教員の担当する国語・算数において課題設定する際に、共通していた方針は、次のようなことです。◉基本的に教科書に沿った内容で進めていくこと◉既習の知識で、児童自身が自分で進められる課題・内容であること(国語であれば物語文・説明文の読解や教科書の課題、算数であれば長さのくらべ方・グラフの作成などの課題)◉教師による説明が必要であったり、グループで話し合ったりする活動のものは、課題に含めないこと(国語の文法に関することや、算数のひっ算の繰り上がり、繰り下がりなど)◉新出漢字は二文字ずつ進めること◉漢字の他に、週の課題の中に計算問題を含めたり、また、漢字の確かめとして書き取りも含めたりすること◉友人とのつながりや、心身の安定を図るため、動画を課題にして、全員が見られるようにしたこと 以上のような方針で、課題内容を吟味したうえで、毎週配信を行いました。休校期間中は、定期的に教員間で課題内容を相談する打ち合わせを毎週のようにウェブ会2.遠隔学習の実践についてうのがこれまでの経緯です。 幼稚舎の教育システムは、6年間を通じて担任持ち上がり制で、クラス替えがないことが特徴の一つです。筆者が担任している小学2年生のクラス(児童数36名)も、これまでに述べた通り、児童らが小学校1年生の入学時点である2019年4月には、既に児童1人1台のタブレット端末を導入しています。小学校の低学年生の段階からタブレット端末を身近な文房具として活用し、今後の小学校生活6年間を通じて各種ICT機器を、新しい文房具のひとつとして、子どもたち自らがさまざまな学習場面で上手に活用することを、その目標として設定しています。 前述の通り、新しい文房具として、タブレット端末を1年生から6年生までの全児童に導入する取り組みが始まったのが、2018年2学期のことです。タブレット端末を活用した授業も、相当数増えて、これまでのコンピュータ教室だけでの活用から、自分たちの教室や専科教室での活用の場面が広がることで、タブレット端末に触れる機会が当然に増えて、学校だけではなく、課題のために自宅に持ち帰る事例も増えてきました。こうした活用が日常化する過程で、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の様相を受け、2020年3月2日に臨時休校が決まりました。事態は収束することなく、4月を迎え、政府から非常事態宣言が発出されるまでの事態になった時点で、すぐに遠隔学習を開始しました。筆者が担任している小学校2年生のクラスにおいても、児童1人に1台持たせているタブレット端末を駆使し、学習支援型クラウドアプリを活用した課題配信・提出、そしてウェブ会議ツールを利用した遠隔学習をスタートさせました。 クラスの児童は、小学校2年生ではあるものの、情報科の授業や、これまでのさまざまな授業において、学習支援型クラウドアプリの使い方については既に練習しており、写真や動画を撮影して提出するという基本的な操作はできるという前提で、国語と算数を中心に据えた課題の設定をすることにしました。 2年生を担任する先生方との連携を密に取り合いながら、学年共通の課題を前述の学校ポータルサイトからのお知らせ機能のチャンネルを使って、確実に保護者と児童に伝えることにしました。そして、課題の提出は、児童のタブレット端末にインストールしてある学習支援型❶ 授業支援型クラウドを活用した課題配信・提出

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