GAKUTO 2020 特別号
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15進む、デジタル教科書の活用 実践紹介❶る2つの量を実感することができるようになる生徒が多いように感じます。 点が集合して、グラフになる様子や「5章 平面図形」における、点Oから等しい距離にある点の集合が円になる様子などは、具体物の教材では表現できなかったものなので、「じわ~っ」と点が線になっていく雰囲気を生徒達も実感できているようでした。 他にも、同僚と交流しながら「表や図を、デジタル教科書で映しておいて、動かしながら色々書き込んで、そこからの考察や式は黒板に書いてますよ。」とか「空間図形が3Dになっていて、向きを変えながら説明できるのは、立体模型では出来ないので便利だね。」(図4)(図5)など、日常使いだからこそ、色々な使い方が発見出来て、楽しませてもらっています。 デジタル教科書というと、表や図を示すときに活用できるというイメージが強い方も多いと思うのですが、意外なところで効果が発揮されたのが、証明問題でした。証明問題については、1年生の頃から、数学における論理性を身につけさせておきたいところですが、本格的に取り組むのは、2年生の「4章 図形の性質の調べ方」の合同な三角形を利用した証明かと思います。 苦手な生徒にとって、“仮定と結論の区別がつかない”“合同な三角形が見比べられない”などの理由で、あきらめてしまう場合が多いように感じますが、そんな時にも、デジタル教科書が役立ちました。証明に利用する2つの三角形を上からなぞって、移動させながら等しい箇所を見比べることで、重なった図形を認識することが苦手な生徒でも、仮定と結論を区別しながら図形を見ることができるようになり、証明するコツがつかめるといったことが多くありました。(図1)これも、板書しながら説明していた頃に比べて、無理なく理解できる生徒が非常に多いという実感があります。 同僚とデジタル教科書の使い方について交流すると、「授業の展開が早くなる。」ということが、しばしば話題にあがります。問題文の把握や、表や図の注目する箇所の説明などは、テレビモニターの教科書紙面を使って説明した方が早いですし、理解が深まります。この “学びのスピード感”は、かなり魅力的です。 教科書紙面に記載している図形の点や線を動かして、問題の意図・法則性などを提示したりできます。 例えば、『デジMATH-1年』の「4章 比例と反比例」では、x分後の水位をy㎝としたときの水量の変化(図2)を、順を追って確認することが出来たり、154ページの正方形に描かれた点Pや点Qが動く問題(図3)では、実際に動かしてみることで、線分の長さと面積の変化を目で見て捉えることが出来るので、そのような映像を見ないで学習をしていた頃に比べて、ともなって変わ❸ デジタルだから可能な数学イメージの表現 (インタラクティブコンテンツの活用)▲ 図1:2年p.129紙面への書き込み(例)▲ 図2:1年p.129のコンテンツ▲ 図4:1年p.198のコンテンツ▲ 図3:1年p.154のコンテンツ

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