GAKUTO 2020 特別号
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12進む、デジタル教科書の活用 ICT活用の基盤づくりを進めよう まもなく、ほぼすべての自治体で整備が完了します。先行する自治体では、授業で端末を活用するだけではなく、学校生活の様々な場面で活用され始めています。時間割や学級通信はクラスのプラットフォームに毎日配信されています。チャットルームでクラスの友人のみならず、生徒会活動や修学旅行の調べ学習グループなど、クラスをまたいで連絡調整やドキュメントの共同編集が行われています。ICTはコミュニケーションを効率化する道具であるから、学校生活の様々な場面で活用できれば、多くの活動は捗っていくものです。ICTの効果は、活動の「効率化」のあとに訪れるポジティブな感覚です。ですから、まずは効率化しているかが重要です。(図3) しかし、情報端末を活用した学習活動には懸念がつきものです。教育委員会や学校の先生方、保護者は「学習以外で使用するのではないか、トラブルに発展するのではないか」と懸念します。しかし、学級経営や生徒指導がうまくいっているクラスは、たとえ何かが起きたとしても、指導すれば子どもたちはすぐに理解して正しい使い方をするようになっていきます。もちろん初期段階はいろいろなトラブルがあるかもしれません。しかし、それも社会で上手にICTを活用するための練習です。情報端末を様々な学校生活に活用している先生は、「これまでの情報端末の指導は、学校の外でのことで、事件やいじめが起きても後手に回って指導していましたが、今は情報端末を常に持ち、常に活用することで、日常的な生徒指導とほぼ変わらない感覚になるはずです」と話します。情報端末が導入されても、学級経営や児童生徒との信頼関係は変わらず重要です。59文字しか入力できませんでした。これでは、いくらいい考えや文章が頭に浮かんでも表現することができず伝えることもできません。子どもたちがICTを活用した授業では、キーボード入力を学ぶ時間を確保し、繰り返し練習し、授業に支障のないレベルのスキルを身につける必要があります。キーボード入力は運動技能です。毎日5分取り組めば、2か月から3か月で確実に上達していくことでしょう。 GIGAスクール構想は「一人1アカウント」も前提となります。学校に端末が届けば、子どもたちは情報端末を開き、次の瞬間、IDとパスワードを求められます。そのために、小学校低学年でもアルファベットやローマ字を覚えるための活動をしている事例もあります。そこまでしなくとも、毎朝5年生、6年生がサポートに行く活動も行われています。 机上にどのように置けばよいか、教室移動の時にはどうやって運べばよいか、情報端末の充電はいつしておくか、子どものアカウントの管理はどうしておけばよいか、子どものパスワードは把握して管理すべきか、話を聞くときは情報端末を閉じておくべきか、など考えなければならないことは山ほどあります。しかし、すべてを想定することはできません。子どもたちと協力しながら、試行錯誤しながら取り組むというスタンスで臨むといいでしょう。こうした姿勢の学校やクラスでは活用が促進する傾向にあると考えています。導入初期の考え方情報端末を活用させるときの考え方▲ 図3:Google chatの活用

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